2019.08.26
西大和学園カリフォルニア校での取り組み(分科会紹介3)
1.図書館整備について
分科会「図書館整備」では以下の取り組みを行いました。
(1) 日本語図書の選出
言語力が多様である移民子女に対応するため、米国では全国標準テスト(STAR)によって児童生徒の読む力のレベルを数値で提示している。出版社はその数値をもとに、各図書に「読む力のレベル(数値)」と「学年相当の興味(アルファベット)」の2値を割り当てている。このような背景から、特に米国籍家庭から、既習漢字で読める学年に適した図書の選び方を教えて欲しい、という要望が出されていた。
そこで、海外子女用教科書である光村教育図書発行の国語科で推奨されている図書を1~9学年の推薦図書として選定した。
(2) バイリンガル図書
第二言語習得理論にもあるように、第二言語での読解力を効果的に育成していくためには、その内容に関する知識を第一言語で理解していることが有効である(Tseng,2002)。そこで、上記図書のうち、英語での翻訳が出版されている英語版58冊を整備した。
この英語版日本文学図書は、本校の児童生徒の英語による読書推進、地域の日本文学理解など、多様な場面で活用することができる。
(3) 各分科会テーマ調べ学習支援図書
これまでの図書館は調べ学習を行うための図書を収集しておらず、多様なリソースから情報収集をする指導を行えていなかった。2018年度には、小学部では、オリンピック・パラリンピックについての学習と、教科を活用した日本文化の学習を計画している。
また、中学部では、カリフォルニア州日系人の歴史、4~9年生では、茶道などの日本の伝統文化学習を扱う。
そこで、これらの各分科会の学習テーマに沿った日本語と英語版の図書やDVDを70冊整備した。テーマ別の調べ学習図書が、近隣学区でJSL(Japanese as a Second Language)指導にあたっている教員のニーズを満たすかどうかを模索する。
(4) 図書館公開と整備
これまで、本校の図書貸し出しは、手書きの帳簿で管理していたが、今年度より、貸し出しシステム「くまたろうの森Webネットワーク(リブネット)」を導入することで、遠隔地から貸し出し状況確認を可能とした。
また、保護者の自主運営による一般公開の時間を、下記のように定めた。本校への送迎は保護者が毎日自家用車で行うため、交通量管理を考慮し、定期的な公開時間は平日校と補習校の下校直後に定めた。
また、一般公開については、学校の安全を鑑み、近隣学区でJSL指導にあたっている教員のように、児童生徒に関わるための犯罪歴検査を受けている教育関係者を対象として、予約制での公開を試みる。
2.2017年度の活動の評価について
2017年度の各分科会での取り組みは以下の資料をご参照ください。
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