2020.05.28
香港日本人学校における2019年度の取組みと成果
香港日本人学校における、2019年度の取組みと成果をご紹介いたします。
1.目的と概要
2017年度から2年間に亘り、香港日本人学校小学部香港校に特設された「グローバルクラス」において、先進的プログラム(コース概要、カリキュラム、指導方法、評価方法、教師研修等)の開発を進めてきた。2019年度は、香港日本人学校小学部香港校への継続的な支援と同時に同校中学部での探究学習の単元開発の取組みを行った。
2.取組み内容
- AG5運営指導委員および研究員による香港日本人学校訪問
<9月10日~11日>
- グローバルスタディーズのカリキュラム開発・改善の指導助言
- 英語イマージョン授業の指導助言
- 6年グローバルクラス算数 師範授業 「速さを比べるには何を調べればよいか」 細井 AG5研究員
<9月9日~12日>
- 中学部の探究学習の指導助言
- 新学習指導要領に対応する授業についての講演 赤羽 AG5研究員
- 戸田市美女木小学校との交流
<6月4日・7月12日・18日、9月20日・24日、10月3日、11月3日>
- ビデオ会議 テーマ 「自己紹介、クラス紹介、学校紹介クイズ」、「将来の夢」、「東京オリンピック」
<12月12日>
- 遠隔交流授業(香港小児童から美女木小児童へのインタビュー)
- グローバルスタディーズのカリキュラム開発
- 担当教師の日本国内での研修の実施
<10月23日~10月25日>(3名)
- 同志社国際学院初等部/加藤学園暁秀初等学校/静岡サレジオ小学校 訪問
<1月29日~2月1日>(8名)
- 戸田市立美女木小学校/戸田市立戸田第二小学校/東京学芸大学附属国際中等教育学校/東京学芸大学附属大泉小学校/海外子女教育財団外国語保持教室 横浜校・新宿校授業参観
- 小学4,5,6年生のICT教材“i-Ready”による英語力の測定
3.成果
【小学部】
- グローバルスタディーズのカリキュラムの評価と改善
- 「グローバルスタディーズの単元デザインの手引き」を作成した。
- 各学年の各学期のカリキュラムマップを作成した。
- ▶カリキュラムマップには反省点・改善点も明示し、グローバルスタディーズのカリキュラムの継続的な改善の工夫を行った。
- 他の学校でも実践可能な探究学習のモデルカリキュラムを示すために、探究学習の小冊子(探究学習スタートブック 理論編・実践編)の作成をAG5研究支援チームの研究員を中心に進めている。(2020年度完成予定)
- 英語教育の強化
- i-Readyの英語力診断テストから、グローバルクラスの児童の英語力の伸びを示す結果を得た。
- 英語の授業では英語力診断テストの結果により児童を4~5のレベル別に分け、それぞれのレベルに合った本を読み進めることで、児童が主体的にリーディング活動に取り組むようになり、レベル別リーディングの有用性を確認できた。
- 算数・理科の英語イマージョンによる授業の改善
- 単元の順番を必要に応じて入れ替える、グローバルスタディーズとの教科横断的な学習を積極的に進める、ティームティーチングを組む日本人教員との授業前の話し合いをより多く持つ等の工夫を行うことで、子どもたちが学習へ主体的に取り組めるようになることがわかった。
- 戸田市との遠隔による教員研修および授業実践の実施
- 児童対児童の交流を継続的に実施することで、画面を通した交流における児童のプレゼンテーションスキルが向上することがわかった。
【中学部】
- 探求型学習の単元開発
- 中学部1年の英語Aクラス(レベル別にA~Eクラスを設置)において、グローバルスタディーズの考え方を取り入れた授業実践を開始した。(2020年度に探究学習の単元開発を行う予定)
4.資料
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香港日本人学校の報告書(PDF)
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カリキュラムマップ(PDF)
- 戸田市美女木小学校との遠隔交流
中間報告書(PDF)
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