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テーマ5.

日本文化発信の拠点形成のプログラム開発

アスンシオンでの教材(移住すごろく)製作

アスンシオンにて製作した教材(移住すごろく)について紹介します

INDEX

1.すごろくの製作について

先の記事でも記載していますが当地では以下の内容が現地のニーズとしてあることが分かっています。

1.教師の力量形成

2.日本型教育の提供

3.日本人学校とのネットワーク形成

4.新しい適切な教材

5.日系人指定向けの独自教材

前回までに紹介した研修は主に1~3に該当する項目でしたが、4及び5にあるように教材開発も必要とされていました。そこで日系人としてのアイデンティティ形成のための教材開発として、「移住すごろく」の製作を行いました。

2.制作について

移住すごろく製作

 

日系人としてのアイデンティティ形成のための教材開発として、「移住すごろく」の製作を行いました。

日本人学校では6月の移動教室で児童生徒がイグアス移住地を訪問し、日系移住の歴史に触れました。それに先立ち、移住学習への理解を深める取りかかりとして、JICA日系青年ボランティアの原本義浩氏による移住学習のワークショップを事前に開きました。

原本氏はラ・コルメナ移住地に派遣されていた方で、日本語学校ででワークショップを開いた際に同校校長にご紹介いただき、日本人学校にも来ていただきました。これにより、児童生徒だけではなく、本校の教員も日系移住について学びを得ることができました。

 

移住すごろくの製作にあたっては、JICA横浜移住資料館所蔵のブラジル版の移住すごろくをモデルとして、日本人学校にて「パラグアイバージョン」を製作しました。

このブラジル版をどのようにパラグアイ版に変更していくかについては、まず神奈川大学の拝野寿美子先生が内容をチェックしてくださり、そのまま変更なしで使用できそうな部分と、新たに作っていく必要がある部分がどこかを検証していただきました。

実際の作業では、すごろく盤および質問カードの内容のほぼすべてを新たに作り直し、また写真やイラスト等はパラグアイバージョンに合わせて全て新しく用意しました。

 

質問カード作成には日本人学校の教師が全員で取り組みました。

ブラジル版では移住船の話が多く出てくるが、パラグアイバージョンでは現存する各移住地の話をもっと盛り込むように意識しました。

児童生徒が関心を持ちやすいように、平易な言葉遣いを心がけ、目を惹くイラストなども使用するようにしました。

内容に沿って必要となった昔の写真は、パラグアイ移住70年誌(パラグアイ日本人会連合会編『パラグアイ日本人移住70年誌「新たな日系社会の創造」』パラグアイ日本人会連合会、2007)に使用した写真データが日本人会連合会にあり、使用させていただけることになったため、歴史ある数々の写真を入手することができました。

移住の歴史について不明瞭な部分は、アスンシオン日本人会の寿会(老人クラブ)所属の皆様にお話を伺いながら製作を進めました。また、最後に連合会の事務局長である菊池明雄氏に事実確認のチェックをしていただきました。

 

すごろく盤のデザインおよびすごろくを入れる箱は、グラフィックデザインができる日系人の方にお願いして製作しました。

付属のサイコロ、ゲームで使う駒など、日本国内であれば問題なく揃えられるであろう物品も、パラグアイではすぐには見つかりません。そのため個人の方を頼ったり、アメリカから取り寄せたりするなどして対応し、ようやく完成させることができました。

 

苦心して完成した移住すごろくは、日本人学校で実践するのはもちろんのこと、日語校他、各移住地の日本語学校などに寄贈したいと考えています。

 

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