2019.08.30
西大和学園カリフォルニア校での取り組み(近隣の学区で日本語を第二言語として指導している現地校教員への日本語指導に関する資料の提供)
1.日本語を指導している学校と日本語力評価
カリフォルニア州では公立・私立校の両校で日本語を第二外国語として指導している学校が多く、国際交流基金ロサンゼルス日本文化センターによるとSearch Engineの一覧のように、小学校で23校、中学高等学校で123校、大学で96校が日本語の教育を行っています。
公立校であれば、州が発行する教員免許者が州の指導要領 World Language Content Standard for California Public Schools (K-12) にもとづき、日本語言語スキルと日本文化を指導しています。
言語力はACTFLが定めるルーブリックを指標とし、試験としてはNational Japanese Exam、AP Japanese Exam (College Board主催の大学単位試験)、Japanese Proficiency Test (国際交流基金・日本国際教育支援協会)、バイリンガル教育のベンチマークとして活用されるAvant STAMPなどがあります。
2.図書貸出しの推進
本年度は、まず利用規定を定めたチラシを作成し、遠方からの貸し出しには郵送で対応し、最大1か月間、図書やリソースの貸し出しを行う設定を設けました。
このチラシをカリフォルニア州の日本語教師会のネットワークを活用して広く配信することを検討しました。
3.指導している日本語のレベルとNACの蔵書について
日本語教育の指標が州で定められている環境下で図書やリソースの貸し出しを行うにあたり、貸し出し情報に何らかの工夫が必要だと考えました。
昨年度報告したように、米国の図書には英語力別に数値がつけられているが、日本の図書には日本語力を示す数値はなく、その代わりに学年ごとの推奨図書という分類が設けられています。現地校で日本語を指導している教員がNACの蔵書を選ぶ際に、日本語力に沿った指標があるとわかりやすいと考え、アンケートを作成しました。
また、指定教科書ごとに、取り扱う文化要素も異なっていると思われるので、教科書の副読本として役立つ日本文化の分野がわかれば現地校日本語教員のニーズに応えられるのではないかと考えました。
アンケートによるとNACの図書はACTFL中級レベルであるAP Japanese and Cultureの生徒に適しているが、それ以外のクラスについては日本語力によって文法や語彙を調整してあるJFL(Japanese as Foreign Language)用の図書、または本学園の付属幼稚園が備えている紙芝居の活用が適しているとの回答を得ました。
但し、第二外国語として日本語を選択している生徒の多くが日本に興味を持っているので、英語で日本を紹介している図書には興味を持つと予想されます。
現地校教員が指導している日本語のレベルに適したリソースを検討するには更なる時間が必要であると思うが、1教員が180名もの高校生に日本語を指導していること、初級レベル(Japanese1)で使用している教科書がわかったことの2点は大変意義深いと言えるかと考えます。
参考資料は添付の資料をご参照ください。
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