2021.12.13
2021年度の取り組みと成果
INDEX
1.目的と概要
① 児童生徒の思考力・判断力・表現力を育成する遠隔合同学習の在り方の追求
② 日常的に遠隔地の学校と合同学習を行うことができるICT環境や学校体制の追求
ACアグアスカリエンテス日本人学校
① 児童生徒の思考力・判断力・表現力を育成する遠隔合同学習の在り方を探求
② 日常的に遠隔地の学校と合同授業を行うことができる ICT 環境や連携体制の確立
RJリオデジャネイロ日本人学校
多様性を受け入れ、柔軟で豊かなコミュニーケーション力をもち、協働できる子どもの育成
SPサンパウロ日本人学校
子どもが豊かなコミュニケーション力で他者と関わり、新たな世界を拓く遠隔教育プログラム「サンパウロ・プラン」の実践
AG5 合同遠隔教員研修の様子(2021年度)
【動画は準備中です】
2.取組み
本研究における4校の主な取組み
4月23日 第19回遠隔合同教員研修 AC SJ SP RJ
23日 合同研修会 SP RJ
27日 2校遠隔合同研修 AC SJ
5月15日 リオデジャネイロ日本語モデル校交流会 SP RJ
21日 第20回遠隔合同教員研修 AC SJ SP RJ
27日 2校遠隔合同研修 AC SJ
6月11日 低学年部会合同会議 SP RJ
16日 学年部会合同会議 SP RJ
16日 中学校部会合同会議 SP RJ
18日 第21回合同遠隔教員研修 AC SJ SP RJ
23日 高学年部会合同会議 SP RJ
28日 低学年部会合同会議 SP RJ
7月16日 第22回合同遠隔教員研修 AC SJ SP RJ
8月17日 2校遠隔合同研修 AC SJ
20日 第23回合同遠隔教員研修 AC SJ SP RJ
23日 高学年部会合同会議 SP RJ
24日 中学校部会合同会議 SP RJ
25日 2校合同研修会 SP RJ
25日 合同研修会 SP RJ
9月15日 高学年部会合同会議 SP RJ
17日 第24回合同遠隔教員研修 AC SJ SP RJ
20日 リオデジャネイロ連邦大学交流会 RJ
10月22日 第25回合同遠隔教員研修 AC SJ SP RJ
26日 2校遠隔合同研修 AC SJ
11月24日 2校合同研修会 SP RJ
25日 2校遠隔合同研修 AC SJ
26日 第26回合同遠隔教員研修 AC SJ SP RJ
12月17日 第27回合同遠隔教員研修 AC SJ SP RJ
1月21日 第28回合同遠隔教員研修 AG5研究発表会 AC SJ SP RJ
24日 ブラジル国内日本人学校3校合同授業 RJ
18日 第28回合同遠隔教員研修 AC SJ SP RJ
※「オンライン合同遠隔研修/教材まとめ」は、オンライン研修の内容のページで詳しくご紹介しています。
アグアスカリエンテス校とサンホセ日本人学校
令和3年度の遠隔合同授業実施状況(2021年11月末現在)(SJ校報告書 別添資料②参照)
小学部
1年生 図工,国語,道徳,学活 9回(直接交流3回,間接交流6回)
2年生 生活(SJ 校小1と合同) 3回(直接交流3回)
3年生 国語,理科,社会 5回(間接交流5回)
4年生 国語,社会,書写 11 回(直接交流8回,間接交流3回)
5年生 総合的な学習(SJ 校小6と交流) 1回(間接交流1回)
6年生 国語,社会,音楽,道徳,学活, 総合的な学習 17 回(直接交流 10 回,間接交流7回)
中学部
1年生 国語 6回(直接交流1回,間接交流5回)
2年生 国語,英語,社会,総合的な学習 11 回(直接交流7回,間接交流4回)
1~3年合同 数学,英語,美術,道徳 6回(直接交流2回,間接交流4回)
リオデジャネイロ日本人学校とサンパウロ日本人学校との遠隔合同授業
低学年部会
3年生 総合的な学習の時間(RJ校報告書P.12参照)
高学年部会
RJ4・5年生、SP5年生 総合的な学習の時間(RJ校報告書P.18参照)
中学校部会
RJ1年生、SP1・2年生 総合的な学習の時間(RJ校報告書P.28参照)
リオデジャネイロ日本人学校と他校との交流
リオデジャネイロ日本語モデル校(RJ校報告書P.39参照)
リオデジャネイロ連邦大学(RJ校報告書P.42参照)
ブラジル3校交流会(マナウス日本人学校、サンパウロ日本人学校、本校)
アグアスカリエンテス日本人学校・サンホセ日本人学校
3.成果
SJサンホセ日本人学校
- オンラインによる主体的・対話的で深い学びを充実させる合同学習に資する手立てを明らかにし、児童生徒の思考力・判断力・表現力を育成することができた。
- ICT操作力や活用力、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善など、効果的なオンラインによる合同学習を行うための教職員の資質・能力を向上させることができた。
- 2校間の日常的な合同学習を可能にする学校体制や効果的なオンライン合同授業を行うためのICT環境デザインを明らかにすることができた。
ACアグアスカリエンテス日本人学校
- 新しい仲間と一緒に学ぶことが刺激となり、児童生徒の学習意欲が高まった。
- 少人数学級で普段は多様な意見を聞きにくい環境にあるが、合同授業でより多 くの意見を聞くことで学習内容の理解が深まった。
- 関係の少ない相手に発表することで、話すことに自信がついた。
- メキシコ以外の国の様子を知ることで、国際的な視野が広がった。
RJリオデジャネイロ日本人学校
- 子どもたちが相手の違いを認め、多様性を受け入れ、コミュニケーションをとりながら、一緒に活動する体験をしたことで、遠隔授業以外でも相手意識をもって行動できるよ うになってきた。ICT 活用能力も向上した。
- ICTを活用した遠隔教育環境を整備し、遠隔教育に関するノウハウを蓄積し、他の学校でも 活用できるように公表することができた
SPサンパウロ日本人学校
- サンパウロとリオ・デ・ジャネイロという環境がまったく異なる町の相手と交流することによって、自分の考えを伝えたいという気持ちの高まりや、相手の発言を受けて新たな発見をする子どもたちの姿がたくさん見られた。
- ブラジルと日本つながりを学び、発信することで今までよりも広い視野を持ったり、国際的なつながりを深めたりすることができた。
4.報告資料
各学校の報告資料(PDF)は以下からご覧いただけます。
5.4校の変化とそのきっかけ
リオデジャネイロ日本人学校、サンパウロ日本人学校、アグアスカリエンテス日本人学校、サンホセ日本人学校、4校の変化とそのきっかけをイラストにしました。
それぞれの学校のイラストをクリックすると大きな画像を表示します。
全体図(PDF)はこちらから
(1)予定調和から即興へ
最初はやりかたがわからず、原稿を読むような遠隔会議 ・・。たけのこニョッキなど遠隔合同授業でアイスブレーキングをやってみると肩の力が 抜ける。予定調和ではなく、相手と、そして、子どもと息を合わせた授業づくりへ。
(2)ICTの大人買い
機材をただ買うのではなく、学習環境全体を「つくる」。どうい う学習環境が必要か?話し合って、検討して、全体をデザイン! (3)コロナの「おかげ」でのマインドで乗り越える:コロナ禍の中で、ICT活用の必要 感がぐんと上がる。非日常だった遠隔授業が日常になっていった。
(4)宝力先生の日本への研修
コロナ禍で渡航できない川上先生に宝力先生が遠隔授業 を実施。宝力先生からの宿題もしっかりやっていくうちに、遠隔授業に慣れてきた川上校 長。サンホセに赴任した時に、遠隔合同授業が特別ではなく、普通に授業もできるように なっていた。
(5)先生のやってみたい!がうまれる学校に
先生の、やってみよう、やってみたいが 次々に生まれる。遠隔合同授業が日常化しただけでなく、常に新しい挑戦が生まれていく 。
(6)先生のやってみたい、がうまれる学校づくりの裏話
何よりも先生方が負担を感じ ないように進めることが大事!と研究主任の宮本先生。無理なく、楽しく、続けられるためには?それを追求していくうちに、先生方から「もっとやりたい」が生まれてきた。外発 的な動機ではなく、内発的な動機から、先生方の挑戦が次々生まれていく。そして、みん なが誰かの背伸びを応援できる環境になっていった。
(7)これから
下重先生の言葉「ICTなしでもう授業するイメージがわかない」それくらいICTが日常になったサンホセ。ICTは、先生にとっても子どもにとってもちょうどいい 道具になりました。これからも先生方の挑戦は続く。
(1)学校を超えて、「出会った」
教員、児童生徒の視野が広がった。
(2)ICT活用への挑戦
ロイロノート、Jamboardの使い方を先生みんなで練習し、合同授業や日常の遠隔・対面授業等で活用するようになった。
(3)特別から日常へ
気軽に日常的に遠隔合同授業ができるような環境づくりを2校で構築できた。
(4)子どもの変化
子どもたちが遠隔合同授業の「次」を楽しみにするようになった。また、より主体的に学び、自分の意見や考えを発表できるようになった。
(5)新しい授業方法を実践
サンホセ日本人学校から教えてもらったシンキングツールやモグラチャートなど新しい教え方を学び、自身の授業を更に工夫するようになった。
(6)学校を超えたつながり
ゲストティーチャーなど外の人とつながる授業を実践できるようになった
(1)失敗してもみんなでフォロー
遠隔合同授業では、何が起こるかわからない。だか らこそ、みんなで失敗を恐れず、挑戦!失敗したらみんなでフォロー。そうやって、みん なが実践力を積んできた。
(2)人に力を借りたり、貸したり
やり方がわからないこと、経験したことがないこと は常に起こる。だからこそ、みんなで助け合う。そして、みんなで深める。
(3)深める対話、深まる理解
少人数クラスのRJ。遠隔地にいる友達と関わるうちにど んどん対話が深まっていく。そして理解も深まっていった。
(4)子どもに支えられて
子どもは教えの対象ではなく、教えてくれる存在でもあった 。わからないことがあっても子どもにも力を貸してもらって遠隔合同授業を実践できるよ うになった。
(5)つながりの中での学び
相手がいることは子どもを大きく成長させる。相手の友達 に教えたい、やってあげたい、そういった気持ちが、学びに対する意識や態度を前向きに する。
(6)ピンチをチャンスに!
コロナ禍の「せいで」と嘆くのではなく、ピンチをチャン スに変えることができたのは、同僚たちの存在。周りの助けによって、多くを解決し、多 くができるようになった。
(1)何からはじめる?
プログラミング学習で遠隔合道授業を計画。新しい環境に出会い、教師も、子供も、保護者も不安と楽しみを共有
(2)授業に変化
従来の授業「らしく」ではなく、スクラッチなどを授業でやってみる ことで、ゲーム的な要素が入り、「つくる」学びへ。
(3)新しさ
新しい環境、新しい活動、新しい人との学習。とにかくいろんな「新しい 」にふれ、未知との遭遇をみんなで楽しもうとした。
(4)やってみるとおもしろい
やり方をしらない、経験したことがないことも、「みん なで」やってみると、できる。やってみるとおもしろい。そんな体験を教師、子供、保護 者で共有できた。誰かのできるをつなぎあわせて、みんなでできるをつくっていった。
(5)コロナ禍を「おかげ」に変える
未曾有の危機コロナに直面!すでに遠隔合同授業 をはじめていたので、焦ることなく、それまでやってきたことを土台に、子どもの学びを 止めない活動に取り組む
(6)子どもに寄り添う授業づくり
子どものやりたい、やってみたい、知りたいを軸と して授業を展開。子どものやってみたい!がうまれる学習環境になってきた。
(7)いろんな挑戦
ICT環境が整い、ゲストティーチャーを呼ぶなど新しい活動を始め た。常に新しい挑戦に取り組んだ。
(8)今後もずっと
ここでの経験を他の授業や帰国後もいかしていきたい。特別支援学 校で働きはじめた教員もこの経験をいかしている。これからも、ずっと。
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