2020.03.31
2019年度の取組みと成果
2019年度の取組みと成果について紹介します。
1.研究の目的・意義
インクルーシブ教育においては、障害のある児童生徒と共に学ぶことが求められており、海外であっても共に学べる状況が作られるよう、日本人学校に対する支援の方法を考え、提供することが必要です。
そこで、日本国内から遠隔にて支援を続ける体制の構築を目的に研究に取り組むことになりました。
実践内容として、以下の点を行ってまいります。
・日本人学校における特別支援教育に関する遠隔支援をするためのシステム作りをする。
・システムの条件整備と実施方法の整理をする。
・遠隔支援使用マニュアルを作成する。
2019年度は、研究協力機関(国内および海外)の通信環境、ニーズの確認、またコンサルテーションを実施する際に 使用するシステムやデータ等の作成、活用を検討しました。
2.研究の背景
文部科学省と特総研による 日本人学校調査結果(2018年 5月に実施)によると、
日本人学校に在籍する「障害の診断のある児童生徒」は190名、
診断はないが「特別な配慮を要する児童生徒」は570名いた。
特別な配慮を要する児童生徒の割合は、全児童生徒数の3.9%であった。
特別支援学級や通級指導教室といった、個別指導の場が校内に設置されていない。
日本人学校には文部科学省から派遣された教員と、日本人学校が雇用する教員が勤務しており、
教員の背景が多様である(専門性の担保急務)。
現地に特別支援の専門機関、相談機関がない地域が多い。
3.研究協力機関の学校
海外日本人学校(2校)
・ハノイ日本人学校(ベトナム)
・北京日本人学校(中国)
日本国内特別支援学校(2校)
・筑波大学附属大塚特別支援学校(2019年度~)
・東京都立調布特別支援学校(2019年度~)
4.2019年度の成果
・支援する側の特別支援学校のセンター的機能状況を把握した。
・学校の通信環境の状況を把握(一部利用制限あり)した。
・日本人学校の支援ニーズを把握し、2校のニーズの違いが判明した。
・日本人学校への視察による支援ニーズを確認できた。
・ネット上における特別支援予約システムの実践試案を検討した。
・遠隔支援の実施記録として遠隔支援実践シートを作成した。
・地域遠隔支援実施特別支援学校(2校)の実施状況を視察した。
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