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テーマ7.

ICTを活用した遠隔での教育の質向上のための プログラム開発

2020年8月:アグアスカリエンテス日本人学校「これまでの実践とそこから得た課題と展望」

報告:アグアスカリエンテス日本人学校 阿部邦広 先生(研究主任、小学校全科、中学体育担当)
ヒアリング:AG5研究補助員 関温理
問い:これまでの実践とそこから得た課題と展望

2019年度、本校はサンホセ日本人学校と2回の交流を行いました。題して「アグアスサンホセ交流会」です。

1度目は通信環境をチェックすることを第一の目的として、まずは集会活動を合同で行いました。

これによりAG5の実践を進めるにあたって、どのようにしたら児童生徒がお互いの顔を見せ合いながら、はっきりと伝え合えるのかを検討しました。

また、ステージ上に2つ大きな画面を設置し、体育館スピーカーに音声を繋ぐなどして、児童生徒全員が相手の様子を見たり,声を聞いたりする環境を整備しました。

 

 

第1回目の遠隔交流を通して持った課題は、遠隔授業においていかにして児童生徒に当事者意識を持たせるか、ということです。

第1回目の交流において本校の児童生徒は、遠隔授業へ「参加」するというよりただ「参観」しているだけでした。

本校は100人を超えた学校規模である一方で、サンホセ日本人学校は10人ほどの人数で、参加できる場面に差があります。そのため、本校の児童生徒は俯瞰的にカメラに小さく映るだけで一人ひとりが参加者意識を持つことが難しいのです。

この経験から、第2回目の遠隔交流では児童生徒が参加する場の工夫が必要でした。

 

2回目の遠隔交流では,学級単位でのグループを形成し,発表を行いました。発表テーマは、それぞれの学校で取り組んでいる特色ある学習の内容を発表するというものでした。本校では、総合的な学習の時間で、メキシコについて調べる学習を行っていたため、「メキシコの食」や「アグアスカリエンテスの歴史」などについて発表しました。サンホセ日本人学校は日本とコスタリカの違いについての作文で、「日本とコスタリカの海」や「日本とコスタリカの環境問題への取り組み」などについて発表しました。

 

第2回目の遠隔授業を通して、いくつかの改善点があります。

第一に、オンラインでの双方向なコミュニケーションを授業設計にしっかり組み入れることです。今回の遠隔交流は、発表することが目的となってしまい、一方的な発表のみで終わってしまいました。

学校対学校の交流会という形であればこのような形になるのだと思いますが、本来のAG5のねらいに迫るためには、交流する集団の細分化を図る必要があります。

 

今年度は、昨年度実施した交流の成果と課題を生かし、学級単位かつ教科単位での合同授業の研究を推進しています。

9月末には第1回目の合同授業を5年社会科で実施予定です。

12月には2年次目のまとめの研究実践として2本の合同授業を計画しています。