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テーマ7.

ICTを活用した遠隔での教育の質向上のための プログラム開発

2022年1月:リオデジャネイロ日本人学校 3年間の遠隔合同授業の振り返り

報告者:リオデジャネイロ日本人学校 渡辺 稔 校長先生
ヒアリング:AG5研究補助員 関温理

最後の月は、渡辺校長先生にこれまでの研究を振り返り、感想をお話して頂きました。

 

①3年間の遠隔合同授業の実践研究を通しての感想を教えてください。

 

まずは、このAG5という研究の機会を与えていただいたことに感謝申し上げます。私は実質2年間の関わりとなりますが、新型コロナウィルスのパンデミックの中、遠隔授業で子どもたちの学びを止めなかったことは、最大の成果と考えています。

一部派遣教師はロックダウンで赴任できず、日本とブラジルを繋いでの授業でした。本来ならば、様々な準備や検証をしながら研究を進めていくところですが、今回の実践研究は、正に実践の中から課題を探し、その解決法を探りながら実践をすると言う、常に切羽詰まった中での研究であったと思います。その分、苦労も多かったですが、振り返れば楽しい研究であったとも言えます。

 

 

② 今後継続的に、遠隔合同授業に取り組めるようにおこなった工夫はありますか?

 

今後継続的に、遠隔合同授業に取り組めるように行った工夫としては二つあります。

一つ目は、最善の環境で授業が受けられるように、機器の設定や設置の方法などのノウハウを積み重ねてきたことです。例えば、本校は新型コロナウィルスの影響でオンライン授業になってから、約半年で対面授業を再開しました。すると様々なICTの環境設定が必要となりました。

子どもたちは、学校やリオデジャネイロの自宅、日本の自宅など様々な場所から授業に参加するようになりました。その他にも、子どもは学校にいるのに、教師は自宅にいる。自宅にいる教師と、学校、自宅にいる子どもを繋ぐなど、様々な状況に対応する必要がありました。

最初は戸惑いもありましたが、子どもたちにとって最善の環境で授業が受けられるように、ネットの接続方法を何度も検討し、必要機器の購入や機器の設置方法のノウハウを蓄積してきました。そうすることで、子どもたちは、どこにいても学びを止めることなく継続して、授業に参加することが可能となりました。

 

二つ目は、サンパウロ日本人学校に限らず、マナウス日本人学校を加えブラジル3校の遠隔合同授業の取り組みを始めたことです。ブラジル3校は、次年度も継続可能な緩やかな遠隔合同授業を続けていく予定をしています。更に中南米の他の国とも遠隔合同授業を通して繋がることができたら良いなと考えております。

 

 

③ 3年間の実践研究を通して今後挑戦したいことはありますか?

 

遠隔授業の可能性を感じた一方で、学校教育では、遠隔授業の限界も見えたと感じています。例えば、学習面でいうと、実技教科や理科の実験など、体験したり体感したりする学習には難しさを感じました。また、特に義務教育期間の子どもたちにとって教育の根幹をなす、人と人との関わりの中で育まれる心の教育は、大変に難しいと思います。

しかし、時代は大きく変化しています。遠隔授業の可能性を対面授業の中にどのように取り入れていったら、より価値のある授業を提供できるのかを探っていきたいと考えています。先を見通せない予測困難な時代に入りました。今後は、しなやかな発想で、その時々の最大の価値創造に挑戦していきたいと思います。