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テーマ7.

ICTを活用した遠隔での教育の質向上のための プログラム開発

2020年11月:リオデジャネイロ日本人学校「学び合いを活性化するための工夫」

報告:リオデジャネイロ日本人学校 内田先生(小学1・2年担当)
ヒアリング:AG5研究補助員 関温理
問い:研究授業を振り返って

リオデジャネイロ日本人学校(以下:リオ)と、サンパウロ日本人学校(以下:サンパウロ)は、11月に低学年の部の遠隔合同授業を国語の研究授業として実施しました。リオからは、1年生、2年生合わせて4名の参加で、サンパウロは31名でした。単元名は「しらせたいな見せたいな」で、遠隔授業の目標は「相手校の児童とクイズを出し合うことを通して、相手意識をもって発言したり、ブラジルについての気付きや知識を広げたりすることができる」でした。

 

この遠隔合同授業を通して良かった点は、本校の児童がサンパウロの〇〇さんという個人を意識した交流ができたことです。交流する相手校の児童が大人数になると、なかなか個人を意識して交流をすることは困難です。そこで、教師はできる限り、相手校の児童の名前を呼ぶように心がけました。例えば、サンパウロの皆さんではなく、サンパウロの〇〇さんというように、個人の名前を呼んで、話しかけるようにしました。その結果、振り返りの際には「〇〇さんの名前を覚えました!」や「今度は全員の名前を覚えたいです!」というような声が子どもたちから出てきました。このように、児童は相手を意識したコミュニケーションを積み重ねることで、共に学んでいる実感を持つことができました。

 

一方で、さらに相手意識を持って遠隔合同授業を行うためには、相手校の児童の顔が画面に大きく見えるような工夫が必要だと感じました。特にオンライン上では、相手にしっかり伝わっているか、自分の声が届いているかなど、相手の反応を見ながら、コミュニケーションをとることが大切になります。しかし今回の遠隔合同授業では相手校の児童は、それぞれ自宅から参加だったため、参加者全体が映し出される設定(Zoomのギャラリービュー)にしたため、相手校の児童の一人ひとりの顔が小さく映ってしまいました。

一方で、発話者が画面に大きく映る設定(Zoomのスピーカービュー)にすると、発話者は相手の反応をあまり確認できず、自身の顔が大きく映る画面に向かって一方的に発表する場面が多くなってしまいました。

今回の反省点を生かし、今後は子どもの姿をどのように映し出すかにも着目して、相手意識を高める遠隔合同授業の研究を進めたいと思います。