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テーマ7.

ICTを活用した遠隔での教育の質向上のための プログラム開発

2021年2月:2020年度サンパウロ日本人学校の報告書(抜粋)

報告:サンパウロ⽇本⼈学校 大谷文人(R2年度 研究主任)

今⽉は、2020年度のサンパウロ⽇本⼈学校の報告書を⼀部抜粋して、ご報告します。

 

目 次

1.報告者

2.テーマ

3.目的と概要

4.今年度実施した取り組み

【合同遠隔授業のテーマ】

⼩学校低学年部会

⼩学校⾼学年部会

中学校部会

 

1.報告者

学校名:サンパウロ⽇本⼈学校  ⽒名:⼤⾕⽂⼈(R2年度研究主任)

 

2.テーマ

  • (1)サンパウロ⽇本⼈学校(以下:SP)、リオデジャネイロ⽇本⼈学校(以下:RJ) 合同研究主題
  • 「多様性を受け⼊れ、柔軟で豊かなコミュニケーション⼒をもち、協働できる⼦どもの育成(⾼度グローバル⼈材の育成)」
  • (2)遠隔教育(授業・研修)に関するプログラム開発

 

3.⽬的と概要

(1)ブラジル国内にある両校の全校児童数は、RJ校が10名前後、SP校が100名を超える。両校の学校の規模や状況はちがう。そこで両校間で「⾼度グローバル⼈材育成」のためにどのような研究が必要か、話し合いをした結果、必要となる柱が①「多様性を受け⼊れる」②「コミュニケーション⼒を⾝に付ける」③「協働できる」の3つと考え、上記の研究主題を設定した。

 

具体的には以下のとおりである。

① 多様性を受け⼊れる

多様性とは、それぞれの違いを認め合うこと。

いろいろな考え⽅(バックボーン、⽂化、⽣活様式)があることを理解する。

ブラジルや世界で、互いの⽂化を⼤切にしていく。

② コミュニケーション⼒を⾝に付ける

情報を受け取る能⼒(聞く⼒)、伝える能⼒(⾔葉だけでなく、表情や動作等もふくめて)

互いを尊重し、折り合いをつけ、協働につながる話し合いを進める能⼒

③ 協働できる

お互いに意⾒を出し合い、⽬標を共有して活動していくことができる。 新たな⾃分に出会い、気づくことができる。

お互いの良さに気づき、共にそれを伸ばそうと努⼒することができる。

これらを児童⽣徒に⾝に付けさせ、「⾼度グローバル⼈材」を育成していくことが本研究の第⼀の⽬的である。

 

(2)⽇本⼈学校における⾼度グローバル⼈材の育成をめざし、⽇本⼈学校の教育の質を⾼めることを⽬的に、他の⽇本⼈学校(SP-のゴール(⽬的)とする。

 (1)(2)の⽬的のもと、両校間で共通のテーマをたて、それに基づいた研究を進めていく。

 

4.今年度実施した取り組み

 

 遠隔研修 

(1)AG5・4校合同研修(計17回、3⽉にあと1回実施予定)

(2)SPRJ授業⾒学 互いの時間割を連絡し合い、都合が合う時に相⼿校の授業実践の様⼦を⾒学した。

(3)SPRJ研究担当者会議

(4)SPRJ全体合同研修会

(5)SPRJ各部会での研修会

(6)校内研修会

※(2)〜(6)は適時時間をとって⾏った。

 

 遠隔授業 

(1)⾃校での授業や学校⾏事

サンパウロ政府の⽅針を受け、今年度は校内における教育活動が11⽉より2時間の課外活動、2⽉から学校での対⾯授業が始まった。しかし、どちらも児童数の何%という制限が決められていたため、結果的には⼀年を通してオンラインを主として授業を⾏った。⾃校の授業では Zoom ソフトを使い、学習を進めた。また⼊学式、始業式、終業式といった学校⾏事もオンラインで⾏った。

 

授業①(総合 ブラジルの様子)  授業②(5年 国語の様子)

   

 

授業③              授業④

(小学部祭 異学年交流活動)  (退学する児童とのお別れ合唱「希望の鐘」) 

   

 

(2)外部講師による職業講話

・ブラジリア駐⽇⼤使様による講話(⼩学部6年⽣)

・⽇本からのキャリア教育講話(中学部)

・パンタナールガイド湯川様による講話(中学部)

 

(3)学校プロジェクト

・「校歌」プロジェクト

・「希望の鐘」プロジェクト

 

(4)SPRJ合同遠隔授業

今年度のSPRJの合同研究は3つの部会(⼩学部低学年、⼩学部⾼学年、中学部)に分けて組織し、それぞれが授業実践をもとに研究を進めた。

 

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【合同遠隔授業のテーマ】

「多様性を受け⼊れ、柔軟で豊かなコミュニケーション⼒をもち、協働できる⼦どもの育成」 のための授業

 

①⼩学校低学年部会(⼩学1・2年国語)

研究授業 2020年11⽉19⽇(⽊)実施

単元名:「しらせたいな ⾒せたいな」

 

〇実践の概要

リオデジャネイロ⽇本⼈学校1年⽣、サンパウロ⽇本⼈学校1・2年⽣合同で授業を実践した。本時は⾃分の学校や住む地域に関するクイズを相⼿校の児童と出し合うことを通して、相⼿意識をもって発⾔したり、ブラジルについての気付きや知識を広げたりすることを⽬標として実践を⾏った。

またリオデジャネイロ⽇本⼈学校は学校が既に再開、サンパウロ⽇本⼈学校は本格的な学校再開ができていなかったため、リオデジャネイロ⽇本⼈学校の児童は学校から、サンパウロ⽇本⼈学校の児童は各⾃宅からという授業形態をとった。

 

実践の様子①(教師による学習の流れの確認)

 

実践の様子②(相手校の児童が作ったクイズに答える)

  

 

②⼩学校⾼学年部会(⼩学3〜6年⽣総合的な学習の時間)

研究授業 2021年2⽉10⽇(⽔)実施

単元名:「つながろう、サン・リオ発⾒プロジェクト」

 

〇実践の概要

児童の事前のアンケートをもとに「観光・⾷べ物」、「歴史・⾏事」、「⽣活」、「⾃然」の4つのグループに分け、それぞれのグループがテーマに沿って、サンパウロやリオデジャネイロのことを遠隔で協働し、主体的に調べ、話し合い、発表を⾏った。活動中は主に各グループがブレークアウトセッションに分かれての活動だったため、各グループに両校の教員が⼀⼈ずつついて、指導を⾏った。また資料作成には google スライドを使⽤し、合同で授業ができないときにも各グループで分担をし、資料作成を進めながら学習を⾏った。授業形態については他の部会と同様に⾏った。

 

実践の様子①           実践の様子③

(生活グループの話し合い)    (生活グループの発表準備)

   

 

実践の様子③           実践の様子④

(自然グループの資料づくり)   (本時の課題確認)

   

  

③中学校部会(中学部全学年・総合的な学習の時間)

研究授業 2021年2⽉19⽇(⾦)実施

単元名:「新型コロナウィルス調べ」

 

〇実践の概要

各グループを3⼈で編成し、それぞれのグループがテーマに沿って、調べ、学習を進めた。またこの実践では他のグループの学習を参考にしたり、プレゼンテーション能⼒をさらに⾼めたりするために途中に2回の中間発表を⾏うなどの⼯夫を⾏った。また中学部では、総合的な学習の実践以外にも「ビブリオバトル(本の紹介)」、「ムビリオバトル(映画の紹介)」、国語の討論の学習など年間を通して、遠隔によりリオデジャネイロ⽇本⼈学校の⽣徒と積極的に交流を⾏ってきた。

 

実践の様子①           実践の様子②

(生徒が作成した資料)      (生徒が作成した資料)

   

 

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