2018.02.24
日本語が得意でなくても・・・「発見!私たちのテキサス(第2章)」授業振り返り
1.日本語力に課題があると思わる子どもたちの変化
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普段はほとんどしゃべらない(しゃべれない)子どもたちの活動量がかなり増えた。しかし、報告書を書く段階では自分では書けないので、家で保護者が書いていたようだ。子どもたちは、その原稿を読めるように練習をしてきたことで、ポスターセッション本番で活発な発表に繋がった。
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ルーブリックでは、すべての項目に「できなかった」と○をつけている男子児童がいた。そこで、一つ一つの項目について一緒に確認をしていくと、自ら「できた」に○を変更していた。この児童は、日本語力は②レベル、漢字を覚えるのは得意だが、自分の日本語力について「完璧でない」と自己評価が低かった。通常、教科書を開く授業ではつまらなそうにしていることが多いが、今回の授業では、日本語を使っている時間が普段よりも、自然とかなり多くなった。日本語力の大きな向上になったかどうかは見て取れないが、少なくとも、このプロジェクトの開始時にはあまり興味がなかった取り組み姿勢が、最後の発表の時間では、「僕もみんなも緊張していなくて、相手を見て発表できた」レベルへと変わった。また「友達の発表がいいなと思った。」とコメントし、振り返りシート内の「テキサスの色々な地域について知り、『特色』や『よさ』がわかった。」については、「少しできた」に○を移動した。今回の取り組み授業を通して、クラスへの帰属意識が高まったと思う。
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以前は、ほとんどワークシートに書くことをしなかった子ども達が、一人で、また、わからないことは、クラスメートの助けを借りながら、書いていた。また、ルーブリックでの自己評価も以前よりは、高かった。
- それぞれのレベルで、日本語の発話回数が、以前よりは少し多くなった。
ポスターセッションの様子
2.全体を通しての振り返り
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社会と国語の合科という扱いで、丸1ヶ月時間をかけたのが良かったと思う。毎週、少しずつ無理なく進められたと感じている。
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始めは「この活動指導案にはついていかれるか?(自分に指導できるか?)」と感じたが、最後までやり切れたので良かった。
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書くことと発表することの必要性は、日本語力向上には必要だと感じた。
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「自分で調べる→報告書を書く→その後発表練習をする→発表する」という繰り返しを通して、語彙や表現力が増した。そして、子たちにも「やった!」という達成感が生まれた。
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日本語力が低い子どもは、インプットが不足している。今回の授業ではインプットが多く与えられたと思う。アウトプット(自分の考えをまとめて書く)といのは、かなり高度なスキルになる。この単元を通して、どのレベルの子どもたちでも、新しい単語を一つでも覚えられたのであれば、それは日本語力の向上の第一歩になったと思う。
3.「振り返り」の記録
「振り返り」の記録(PDF)
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